業務用生ゴミ処理機を導入する場合の留意点について、業界ごとにまとめました。それぞれの業界ごとに、導入する際にはノウハウが必要になります。他社の事例などご紹介することも可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。
食品メーカー・食品加工メーカー
食品メーカー、食品加工メーカー様の特徴は、同一種類の食品加工残渣が大量に出る傾向があるということです。食肉加工であれば肉類が、水産物加工であれば魚類が生ゴミの9割以上を占めるということでしょう。特に魚類はニオイが強いため、ニオイ対策も必要になります。
さらに生ゴミを処理しきれないと、生ゴミの腐敗が進み、衛生環境に悪影響を与えかねませんので、処理量にも余裕を持たせる必要があります。
排水設備から出る汚泥も条件が合えば、生ゴミと一緒に処理できる可能性があります。
導入時の留意点:
- 肉類や魚類など単一のものを処理できる機械の選定
- ニオイについてはテストを行い、効率の良い処理方法の模索を行う。同時に脱臭装置などのニオイ対策を検討する。
- 24時間操業の場合は、生ゴミの投入タイミングについても考慮する。
- 飼料化できるものがある可能性が高く、生ゴミの分量を減らせる可能性がある。
- 処理量に余裕を持たせるため、大型の機械を中心に選択する。
- 汚泥処理には様々なノウハウが必要なので、汚泥処理を行う場合には、最初から検討項目に含めておく。
飲食チェーン店
飲食チェーン店の場合は、各店舗で処理を行うのか、センターに生ゴミを集めて処理を行うのかによって、処理方法や業務用生ゴミ処理機の容量も大きく異なってきます。
各店舗で行う場合は、スペースの問題と周囲の環境の問題をクリアしなければなりません。
また、お客様が食べ残した残飯が生ゴミの中心になりますが、割り箸やおしぼりなど他のゴミが混入しないように、分別を徹底して行う必要があります。
導入時の留意点:
- センター処理にする場合には、保冷機能がついた専用の運搬車を用意する必要がある。食材を運ぶ車両を共用するのは望ましくない。
- すぐにセンターに運べない場合は、腐敗しないように店舗で冷蔵庫に保管する必要がある。
- 各店舗で処理を行う場合は、運営をきちんと行うために、アルバイトでも作業できるマニュアルを整備する必要がある。
- ゴミの分別が徹底できるよう、店舗のレイアウトや人員の配置に工夫が必要になる場合がある。
ホテル・旅館
ホテル・旅館の生ゴミの多くは、宿泊客、利用客の食事の残飯です。排出される生ゴミの量が繁閑により大きく変動すること、大きな宴会などの場合、提供する食事の内容により生ゴミの内容物が大きく変わることが特徴です。
導入時の留意点:
- 分別を徹底することが重要。特に宴会後は大量の下げ物の中で分別を行う仕組み作りを行うことが必要になる。
- 生ゴミの排出量が一定ではないが、最大値に合わせるとコスト高になることもある。ゴミの保管やリサイクル業者との併用など、最もコストが安くなる方法を考える必要がある。
- 設置場所に関し、わざと目立つところに置き、PRしている旅館もある。
- 天ぷらなどの油分が多い生ゴミが多い時には、きちんと処理するために注意が必要。
学校
学校で排出される生ゴミはほとんどが給食の残飯です。基本的に一日一回ですので、絶対的な分量はそれほど多くありませんし、処理量の増減も大きくありません。コストメリットというより、教育目的で導入される学校が多いようです。
導入時の留意点:
- 処理量の増減が大きくなく、簡単に見積もれることから、処理量はそれほど余裕を見なくてもよい。
- 比較的小型の機械を中心に検討していくことになる。
- 子供が立ち入らないようにするなどの安全対策が必要。
- 夏休みなど、長期間稼働させない期間がある。菌の補充など、再稼働時のメンテナンスが必要になる。
- 生成物は学校の花壇や農場で使うケースが多いので、生成物の流通はあまり考慮する必要がない
病院
病院で排出される生ゴミは、入院患者の食事の残飯と、食堂の残飯です。比較的残飯にご飯類が多く含まれるのが特徴です。リサイクル業者に委託すると、回収までのタイムラグがあり、生ゴミを保管する必要が出てきますが、衛生面やニオイが問題になり、業務用生ゴミ処理機を導入するところが増えています。
導入時の留意点:
- ご飯類が多いと、うまく処理することができないことがあるので、注意が必要。
- お粥や汁物などが多い傾向があり、減量をしっかりやらなければならない。
- 薬などが混入しないように注意する必要がある。
- 生成物を外部に流通する際に敬遠されることがある。安全性を確認するためのコストがかかることがある。
特殊用途
こんな用途でも業務用生ゴミ処理機は活躍しています。
- 飲食店テナントを多く抱えるビル
- 長期間航海する船舶
- ダムなど周囲にゴミ処理施設のない建設現場
導入時の留意点:
- 上記のような場合は、生成物の量を少なくすること、ニオイを極限まで抑えること、米飯など特定の処理物が多くなっても処理できること、等の性能が求められます。
- このような用途では、多くの場合、触媒型の処理機が適しています。